その一瞥で、旧知の如く分かち合える気がした。
結ばれている二枚の名札:謝必安と笵無咎、二人の衙役の名前が微かに読み取れる。
悪は罪を補うべき
一枚の告発状:自分の息子が酒場で衙役に傷付けられたと地方大員が訴えている。
情義に苦しみ
正義を貫くことが、名誉に繋がるとは限らない。
浮名に患う
「あの日は誰が手を出した?お前か?謝必安か?」
命は蜉蝣の若し
一封の極秘手紙:十日以内に満足のいく結果が欲しいと、地方大員が急かしている。
棄つるべからず
一封目の謝罪文:謝必安は酒場で傷害事件を起こした事実を認め、 その他人物と無関係であることを誓った。
留めるべからず
二封目の謝罪文:笵無咎は酒場で傷害事件を起こした事実を認め、 その他人物と無関係であることを誓った。
絶滅の境地では必ずしも一生を得るわけではない。
一枚の委託書:謝必安と笵無咎、二人で逃走中の犯人を追うよう書かれている。
天の与えるものを取らずんば、必ずその咎を受く。
一封の手紙:笵無咎が謝必安を南台橋に誘い、傷害事件の解決策について相談しようと綴られている。
是非を問う
謝必安は犯人を突き止めた手柄で、「真相」を選ぶ権利を得た。彼は、自ら唯一の「罪有る人」になることを選んだ。
約束を破ったのは、誰か
笵無咎は知っていた。 大員が求めているのは真相ではなく、誰かが代価を支払うことなのだと。
また会うのは、まさか現世ではない。
一枚の判決書:衙役・笵無咎は酒場で傷害事件を起こし、事件が明らかになる寸前、暴雨によって南台橋で溺れ死んだ。傷害事件はこれにて解決したと看做される。
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