「ビルド NEW WORLD 仮面ライダーグリス」の感想
2017年からテレビ放映開始され、足掛け2年をかけて遂に完結となる『仮面ライダービルド』 テレビ本編の最終回は主人公二人の桐生戦兎(演:犬飼貴丈)と万丈龍我(演:赤楚衛二)以外の登場人物の記憶がリセットされるという、あまりにも大きな代償を払ったある意味バッドエンドともとれる展開でしたが、本作はまさに『ビルド』シリーズの真の意味での大団円であり、ファンならば誰もが望んだ形での真の最終回となりました。
今回の主役である猿渡一海(演:武田航平)は仲間想いの熱い男であるとともに大のアイドルオタクであるという一面も備えている人物であり、テレビ本編でも武田航平のシリアスさとコミカルさを併せ持った演技が炸裂していたのですが、今回は最終章ということもあり、妄想を爆発させながらもこれぞ集大成といった演技を魅せてくれています。もちろん、本作のカギを握る一海の大切な仲間“北都三羽ガラス”やヒロイン・石動美空(演:高田夏帆)との関係にも大注目です。
本作はテレビ本編の最大の宿敵である地球外生命体エボルト(仮面ライダーエボル)のような非常にアクが強くインパクトが絶大な強敵ではないのが若干物足りない気もしますが、これまでのテレビ本編の伏線を可能な限り回収した脚本と演出、ファンならば誰もがニヤリとするような随所に散りばめられた小ネタ、そしてクライマックスでの『ビルド』シリーズに登場した仮面ライダーたちの集結など、1時間程度の上映時間にシリーズの魅力をギュッと凝縮した展開に要注目です。
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