第五人格- 結魂者(ヴィオレッタ)記念日手紙 2019/1/2
尊敬なるXXX様、
年が明ける一日目は、どんなに絶望している人でも、多少の希望が生まれてくるものではないでしょうか。
私もそう信じてきました。
その日、私はいつもより早く目が覚め、ベッドに座って待ち構えていました。
ベティは朝食を、ピットブルは昼ご飯を、クララは晩餐を運んできてくれました。
「外に出かけないの?」
これが新年の初日だからか、皆がそう問いかけてきました。
誰を待っているのかは、誰にも話していません。
ですがもちろん、皆がその答えを知っている様子でした。私はその眼差しが嫌いでした。まるで、猫や子犬を眺めるような、あの眼差しが。
ただ、マックスだけは、他の人に向けるものと同じような視線で、私を見つめてくれました。
他の人が陰で彼をどう言っているのかはわかっていました。マックスは俗に言う「良い人」なのかと聞かれれば、否定するしかないでしょう。
ですが、私はようやく彼の元で、他の人と変わらない物を得ることができました。皆は悪く思うかもしれませんが、私にとっては必要な物でした。
当然ですが、その年の初日は、彼に会えませんでした。
マックスは翌朝に帰ってきました。アルコールに浸ったかのような匂いを帯びながら。
「ハッピーニューイヤー!」彼はダークグレーのメンズウールジャージーを私に投げてきました。
マックスは同情心の欠片もなければ、私の事など気にもしていないと、クララは酷く怒りました。
私が本当に必要としているものが何なのか、彼女は永遠に理解できないでしょう。
何はともあれ、私はこの日を忘れません。
この「プレゼント」のためでも、マックスのためでもない自分が本当に欲する物を、ようやく自覚ができたからです。
ハッピーニューイヤー。
敬具
ヴィオレッタ
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